晴れ上がった青空のもとで2023年度のエクスカーションは始まりました。冬ターム開講の教養深化特別講義Ⅰ「北海道学」に関連して机上の学習だけではなく、現地での実物を見たり、直接説明を聞いたり、体感・実感を通して学習をより深めることを狙いに開催している企画です。

暑いほどの気温のなかで定刻にバスは北海道大学を出発し、最初に向かった目的地はウトナイ湖サンクチュアリです。ウトナイ湖は渡り鳥の中継地として有名な一方で、周囲には新千歳空港や苫東の工業地域があります。いわゆる北海道開発の歴史とともに北海道の自然とその保護のあゆみをも知ることができます。

日本野鳥の会が運営するウトナイ湖サンクチュアリのレンジャーの案内でウトナイ湖周辺の自然についてレクチャーと観察を行いました。渡り鳥の季節ではありませんでしたが、鳥の鳴き声も多く聞こえ、昆虫や自生のハスカップなどの植物など豊かな生態系を観察することができました。

ウトナイ湖の次は午後からウポポイ（民族共生象徴空間）を訪れました。ウポポイでの自由時間では国立アイヌ民族博物館の展示をじっくり見る学生、刺繍体験 「イカㇻカㇻアン ロ」を楽しむ学生などそれぞれの関心に沿って行動しました。さらに各自で見学するだけではなく、教養深化プログラムらしくより深く学習するために国立アイヌ民族博物館のアソシエイトフェローの是澤櫻子さんとマーク・ウィンチェスターさんから展示のポイント解説を受けて、質問に答えていただきました。

ポイントの解説の後も様々な質問があちらこちらから寄せられ、最後まで丁寧に答えていただきました。自分だけでは見つけることができなかった新しい発見があったようです。こちらの解説は今年度の北海道学でアイヌ・先住民研究センターの北原モコットゥナㇱ先生に講義をいただくことからご紹介を受けこの機会が実現しました。

ウトナイ湖サンクチュアリ、ウポポイそれぞれで現地を訪れ、多くのお話に触れることでよい学習の機会となりました。充実感に浸って夕刻に北海道大学へ戻りました。ウトナイ湖サンクチュアリの皆様、国立アイヌ民族博物館でご対応いただいた是澤櫻子さんとマーク・ウィンチェスターさん、ご紹介いただいた北原先生はじめ関係者の皆様に深く感謝申し上げます。

2023年度第4回教養深化MEETUP「北海道を見る！聞く！学ぶ！教養深化サマーエクスカーション」2023年7月22日（土）開催

※教養深化MEETUPとは
北海道大学のほぼ全ての大学院から受講生が集まる教養深化プログラム。さまざまな大学院、いろいろな研究分野の大学院生が集います。まったく専門分野が異なる学生との交流の機会は普段の学生生活の中ではあまりないかもしれませんが、違った視点が得られたり意見を聞けたり、刺激が多く楽しいものです。そこで受講生同士の交流やちょっとしたスキルや情報を提供する【教養深化MEETUP】を開催します。毎月1回開催しています。内容はお楽しみに。